前略 大阪のおじちゃん
寅さんが帰ってきたよ。
正月になると1人で「男はつらいよ」を観に行ってたよね。
「今回のマドンナは誰だ」って話しをしてくれてたのを思い出すよ。
記念すべき『男はつらいよ』シリーズ50作目の感想を聞いて。
映画「男はつらいよ お帰り 寅さん」あらすじ
寅さんこと車寅次郎(渥美清)のおいである諏訪満男(吉岡秀隆)の妻の七回忌に一同が集まり、法事の後は昔話に花を咲かせていました。
満男は長年会社員として働いましたが、仕事の合間をぬって執筆していた小説が評価されて小説家に転進していました。
ある日、満男のサイン会が開かれ、その列に並ぶ人々の中に満男の初恋の相手イズミ(後藤久美子)が現れます。満男とイズミは結婚の約束までしていた仲だったのに、終わってしまった2人。その後、それぞれ結婚をして、今は家族を持ちます。
「おじさんは何と言うだろう・・・」
寅さんを想う満男やリリーさんの回想シーンで登場する寅さんは、スクリーンの中で間違いなく、生きている。
【感想】寅さんに、会いたい。会いたい。会いたいよ。
子どものころ、テレビで放送される「男はつらいよ」シリーズをオープニングからエンディングまで観ることができなかった。
アクションも、スリルも、度胆を抜かれるトリックもない。
日常の中で、寅さんがいろいろと問題を起こして、解決する定番の物語に、退屈しかなかった。
「何が、おもしろいんだろう」
「男はつらいよ」シリーズ第1作目から50年が経ち、50作品目となる「男はつらいよ お帰り 寅さん」は、このシリーズを大切にする人たちの想いにあふれた作品です。
山田洋次監督はもちろん、役者さんたちやスタッフさんたちが今なお、寅さんをどれだけ大切に想っているかが感じられ、それだけで、終始涙があふれてきます。
寅さんの小気味のいい、切れ味抜群の言葉が、ずしんずしんと刺さります。
好きな人に気持ちを伝えられないとき、寅さんは何と言うだろう。
自分の不甲斐なさから人を傷つけてしまったとき、寅さんは何と言うだろう。
大切な人を失ってしまったとき、寅さんは何と言うだろう。
映画を観ながら、今の自分が抱えるいろいろなことを、寅さんだったらどんな風に乗り越えるのだろうかと考えるようになった。
映画を観ながら、自分の大切な日とのことも思い出し、
「何と言うんだろう」なんて考えてしまっている。
あー、寅さんに会いたい。
あー、おじちゃんに会いたい。
そんな気持ちが大きくなってしまい、シリーズ第1作目から見はじめています。
今は、アマゾンプライムやネットフリックスで観れるから、
しばらくは寅さんシリーズで楽しめそうです。
