君たちはどう生きるか、50過ぎて初めてスクリーンでジブリ作品

映画

50を過ぎて初めて、ジブリ映画をスクリーンで観た。
となりのトトロや崖の上のポニョ、もののけ姫…
テレビやDVDでは、これまで何回も観てきた。

50を過ぎて初めてみた感想は、
見終わった後、すごく優しい気持ちになれた。
映画「君たちはどう生きるか」は、
そういう映画だった。

映画「君たちはどう生きるか」あらすじ

母親を火事で失った少年・眞人(まひと)は
父の勝一とともに東京を離れ、「青鷺屋敷」と呼ばれる
広大なお屋敷に引っ越してくる。

亡き母の妹であり、新たな母親になった夏子に対して
複雑な感情を抱き、転校先の学校でも孤立した日々を送る眞人。
そんな彼の前にある日、鳥と人間の姿を行き来する
不思議な青サギが現れる。
その青サギに導かれ、眞人は生と死が渾然一体となった世界に
迷い込んでいく。

(引用 https://eiga.com/movie/98573/

マーケッター・広告の視点から見るプロモーション

ご存じのとおり、映画「君たちはどう生きるか」は、
ポスター以外のビジュアルは一切公開されなかった。

宮崎駿さんの10年ぶりの新作長編アニメーションにもかかわらず、
その内容は全く明かされることなく、公開日を迎えた。

この戦略を広告の視点から分析してみた。
きっと今回とった戦略を知って、
「あ、オレ知ってる。スラムダンクと一緒じゃん」
そういう分析もあるだろう。
ただ、「君たちはどう生きるか」と「FIRST SLUMDUNK」で
大きく違っていることがある。

それは、映画「君たちはどう生きるか」は
宮崎監督が少年時代に読んだという、
吉野源三郎の著書「君たちはどう生きるか」から
タイトルを借りたもので、それが原作というわけではない。
つまり、キャラクターも時代背景も何もかも不明なのだ。

スラムダンクは、漫画やアニメで大人気だったが、
どの話しを映画化されるのかや、声優は誰なのかなど、
推察することができて、公開まで盛り上がれた。

「君たちはどう生きるか」は、劇場公開日まで
どう盛り上がればいいのか分からない映画ファンが
多かったのではないだろうか。

ジブリファン、宮崎駿信者は新作誕生というだけで、
十分に盛り上がれただろう。広告は一切しないと言えども、
ジブリ作品公開前の鉄板、金曜ロードショーでの
トトロやポニョの登場は十分に映画の宣伝になっている。

まあ、そんな人はいないと思うけれど、
スラムダンクや今回の「君たちはどう生きるか」の
見える部分だけをマネして、
「広告・宣伝一切なしで勝負する!」なんてことを
僕たち弱者は絶対にとってはいけない。

映画「君たちはどう生きるか」が教えてくれたこと

「何が言いたいのか…わからなかった」
「途中で寝てしまった」
そんな声をSNSなどで目にしていたが、
僕は見終わった後、充実感がすごかった。

ペリカンやインコ、蛙など
たくさんの色とりどりの動物が
スクリーン一杯に映し出される様を見て、
彩りの美しさと色の穏やかさに、
その世界の中へ引き込まれていった。
ジブリの魅力を肌で感じられた気がした。

そして、今回僕が心を掴まれたのが、
ヒミだった。

イラストはいずれもhttps://www.ghibli.jp/works/kimitachi/#frameから引用

ヒミは、主人公の眞人(マヒト)と出会い、
眞人の今のお母さんを助け出すために、
共に立ち向かってくれます。

その正体は、幼いころの眞人のお母さんでした。
ヒミの声を担当しているのが、あいみょん。
ヒミの声、すごく優しかった。

眞人だけでなく、スクリーンの前の多くの人を
その声で優しく包み込んでくれた。

歌で社会に抗い、リスナーに生きる力を与えつつも、
みんなを優しく包み込む。
あいみょん、そのものだった。

まとめ

作品の評価は人それぞれだが、
僕は、好きな作品だ。

見終わった後に、温かい気持ちになれる映画。
宮崎駿監督はやっぱりスゴイ。
これまでスクリーンで、ジブリ映画を見てこなかったことを
初めて後悔した。

この作品を通じて、宮崎監督は何を伝えたかったのか。
正直言ってわからない。
見ながら、大林宣彦監督の最期の作品「海辺の映画館」を
思い出していた。
大林監督は自分がやりたいことを、
その作品に全部詰め込んだように想えた。

宮崎監督もそうだとしたら、
「渾然一体(こんぜんいったい)」な様を
僕たちに見せ、そういうありのままの世界も
あっていいんだということを
教えてくれているように感じた。

白か黒で答えるとか、
男か女とか、
そういうことではなく、
心が温かく反応することを
大切に生きていけばいいということを、
僕たちに伝えているのではないだろうか。

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