独特の世界観と色彩が特徴的な写真家 蜷川実花が小栗旬を太宰治に配して送り出す
百花繚乱の恋愛映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」を観てきました。
個性的な文体と生き様でファンが多い太宰治。
映画の中に出てくるキザなセリフと刺さる台詞
などこの作品の魅力をまとめてみました。
小栗、沢尻にのまれる?
公開前から太宰治を演じる小栗旬と3人の女、宮澤りえ、沢尻エリカ、そして二階堂ふみとの濃厚なラブシーンが注目されていました。
公開舞台挨拶で、沢尻エリカさんがラブシーンを振り返り、モテる男を演じた小栗旬さんに手厳しい言葉を投げました。
「小栗さんなら慣れてらっしゃるのかなと思ったんですが、初めてだと聞いて。こないな…もっとぐいぐいきてよ、と思っていました」
沢尻さんのコメントを受けた小栗さんのコメントが、正直ですごくいいんです。
「役者失格でした。いざ、触りなさいと言われたら恥ずかしくて。あの晩とてつもなく反省しました。いざ会ったら『沢尻エリカ』のムードにのまれてしまった」
どれだけ、いい女なんだ、、、エリカ様。
小栗旬でも腰引けてしまうんだ。。。
映画のあらすじ
「恥の多い生涯を送って来ました」の書き出しが印象的な太宰治の小説「人間失格」。
その名作誕生までの裏側に迫るドラマを、写真家・蜷川実花が太宰を愛した正妻と2人の愛人の目線から描きます。
酒と女に溺れるチャーミングでアンニュイな一人の作家、太宰と3人の女たちとのドラマチックな恋模様と愛憎。世界的ベストセラーはどうやって生み出され、ラストに孤独な太宰はどういう運命を選ぶのでしょうか。
太宰の魅力と女のしたたかさ
オープニングからスクリーンに映し出される映像がキレイで見入ってしまい、スーッと映画の世界に引き込まれてしまいました。
夫・父親としては全然ダメな太宰の正妻・美知子役の宮沢りえ、
太宰の作品に惚れ、愛人として生きる静子役の沢尻エリカ、
太宰から口説かれ、心を完全に奪われてしまった富栄役の二階堂ふみ。
世の男たちは、誰を選ぶのでしょう。
そんな興味も感じさせる作品でした。
「人間は恋と革命のために生まれてきた」
静子が日記に記したことば。
静子という女の生き様を見事に表した台詞です。
太宰の子を産み、名作「斜陽」を自分の作品として
発行したラストには震えあがってしまいました。
このしたたかさ、恐ろしい。
ラスト、病気に見舞われた太宰は、「人間失格」を書き上げ、 富栄と二人で身を投げることを決めます。
書き上げた「人間失格」の原稿の横には、美知子に宛てた遺書があり、そこでも太宰は、口説き文句で締めます。
最期のラブレターを受け取った正妻・美知子は、太宰が最期に愛した女は自分だったと実感し、太宰の死を知ってもまるで何もなかったのように振る舞います。
女って強い。
太宰が死ぬ間際に、我に返って生きようとしたことから、太宰はまだ生きたかったんだと感じさせられた。
それにしても、終わってみれば太宰は3人の女全員に自分を愛し続けさせることになった色男だったわけで、それだけ魅力的な男だったことがわかります。
ラブシーンは誰に軍配?
今回映画の中で、太宰は3人の女たちと絡みます。
先ずは、 静子役の沢尻エリカさん。
いろいろな場所で絡みますが、沢尻さん自身の露出は控えめ。ただ、その表情からエロティシズムが溢れだします。
続いて、 富栄役の二階堂ふみさん。
3人の中では一番若い二階堂さんは、まさに体当たりの演技です。男性にはうれしい?胸も惜しげもなく露出しています。自分から求めるシーンもあり、男冥利に尽きる女性です。
圧巻なのは、美知子役の宮沢りえさんです。
自宅玄関で着物姿のまま、行為に及ぶんですが、露出は全くないのに、とにかく雰囲気が出まくっています。
個人的にはラブシーンは、宮沢りえさんに軍配でしょうか。
映画の楽しみ方はいろいろです。
R15指定ですので、大人の映画。
太宰治が放つキザで真っ直ぐなセリフの数々もスクリーンで楽しんでもらいたいですね。