前略 緋村剣心殿
捕えられて縄で縛られるマヌケな姿。
つぎの展開は想像をはるかに超えるものでした。
小馬鹿にした敵の耳を突然噛みちぎり、
縄で縛られた状態のまま、口に刀を加えて、
首や胸、敵の急所を狙い、次から次に倒していく。
やがて、縄を自ら解き、刀を手にすると、
あっという間に全員を斬り殺します。
あなたは狂犬そのものでした。
これまでシリーズで見せてくれた
あなたの心の優しさを微塵も感じさせない
圧巻のシーンにこの先の恐ろしい展開を
想像させられました。
それにしても、あなたは強い。
敵を斬ったあとに吹き出る血や
刃にべっとりとついた血を見せられたとき、
あなたの残酷さをさらに感じずにはいられませんでした。
そんなあなたは人を斬る理由を巴に話します。
「みんなが幸せになる世の中にするため」
その時がくるまで、人を斬り続けると言います。
幕末期、私がそこにいたらどう考えただろう。
あなたの考えを理解はできたかもしれませんが、
だからと言って、反対勢力を次から次に斬り殺す
という行動に納得はできないでしょう。
あなたを「人斬抜刀歳」とまで言われるほどの
凶悪な存在にしてしまったのは何だったんでしょう。
「もう二度と人は斬らない」
凶悪狂犬のあなたを変えた巴さんは、
本当にかけがえのない存在です。
「巴さんが幸せになるために」
そのために生きようとしたあなたの
その先の人生を応援せずにはいられません。
Re:Start
今作で見せてくれたあなたの生き様から、
すごくそれを感じました。
人は何度でもやり直せる。
苦しさや辛さから立ち上がり、
前に進もうと思います。
勇気と覚悟をくれたあなたに感謝します。
愛する人を幸せにするため。
「るろうに剣心 最終章 The Beginning」あらすじ
動乱の幕末。
緋村剣心は、倒幕派・長州藩のリーダー桂小五郎のもと
暗殺者として暗躍。
血も涙もない最強の人斬り・緋村抜刀斎(ひむらばっとうさい)
と恐れられていた。
ある夜、緋村は助けた若い女・雪代巴(ゆきしろともえ)に
人斬りの現場を見られ、口封じのため側に置くことに。
その後、幕府の追手から逃れるため巴とともに農村へと身を隠すが、
そこで、人を斬ることの正義に迷い、本当の幸せを見出していく。
しかし、ある日突然、巴は姿を消してしまうのだった…。
<十字傷>に秘められた真実がついに明らかになる
佐藤健、すべてthe beginningのためにあった
ある会見で、佐藤健さんが熱を込めてそう話していたことが印象的だった。
その言葉を聞いてから映画を観たからか、
2012年にシリーズ第1弾「るろうに剣心」が公開されてから、
2021年の「るろうに剣心 最終章 The Final」までの4作品すべてが
「The Beginning」のための伏線だったといえる。
剣心は、「人斬り抜刀斎」と言われ恐れられていたという前段があるが、
その確信的な部分はこれまであまり明かされていなかった。
敵に向け刀を振る姿からは想像ができないくらいに
剣心は、優しい心を見せる。
剣心は心優しいヒーロー
そういう印象しかなかった。
そして、それがカッコ良かった。
しかし、今回は真逆だった。
剣心は、オープニングから数えきれないほどの敵を
バッサバッサと斬り殺していく。
返り血を浴び、鬼気迫る剣心を恐ろしく思わせた。
冒頭から完全にヒールと化していた。
その剣心の心が変わったのは、
寄り添ってくれた巴の存在が大きい。
一方で、巴にとっても剣心の存在が大きかったのだろう。
愛する人を突然失い、折れてしまいそうな自分の心を、
剣心の心が少しずつ少しずつ埋めていった。
剣心と巴が魅せる愛の物語は、
結末を知っているだけに、切なく辛い。
1つしかない命、
図らずも、剣心は愛する人のそれを自らの手で奪ってしまった。
巴に別れを告げ、
二人が愛をはぐくんだ棲み家に火を放った。
その時、剣心が持つ優しさと強さが生まれたのだろう。
ここからのストーリーがシリーズ第1作へと繋がる。
数年かけて伏線を回収し、完成させる映画「るろうに剣心」、
「The Beginning」を観たら、それまでのシリーズを見たくなる。
映画館でシリーズを見るフィルムマラソンがあったら、行きたい。
「るろうに剣心」、ありがとうございました。

引用 https://twitter.com/ruroken_movie/status/1410870972916240384?s=20