前略 鴻鳥サクラ先生
新型コロナウイルスの影響で、新ドラマの放送が延期となり、2015年に放送されていた「コウノドリ」が放送され、家族で観ました。
シーズン1、第5話。
「14歳の妊娠 少女が母になる時」
生命と関わるサクラ先生に対して不謹慎ですが、再び観ることができて、本当によかった。新ドラマの延期も悪くないと感じました。
サクラ先生が中学2年生の父親に向けて伝えた、厳しくも温かい言葉が深く刺さりました。
ドラマ「コウノドリ」とは
TBSが、2015年、2017年に放送した産婦人科を舞台にした医療ヒューマンドラマ。
原作は、講談社「モーニング」にて現在も人気連載中の鈴ノ木ユウさんが描く同名のヒューマン医療漫画。1児の父である原作者の鈴ノ木が、わが子の出産を通して知った「命」の現場。産婦人科医が主人公の作品は男性誌では異色ですが、決して大げさではないリアルな産科医療の現場を描かれているヒット作。
「出産」に関する医療従事者と患者のあたたかい人間ドラマをベースに、「妊娠」「出産」で生まれる人と人との結びつき、夫婦、そして親子のあり方、「命」が誕生するまで、誕生した後の葛藤、倫理、医療関係者と患者の関係など、命が誕生する「奇跡」がテーマとして描かれた前作。
原作の世界観を忠実に再現し、かつ実際の病院で取材したことによるリアルな描写が好評を博し、多くの共感と感動の連続を生み、毎話、視聴者の涙を誘った。
ドラマを観た人すべてが、自分の、身近な人の、あるいは見知らぬ人の「命」について感じ、考え、生きていることに感謝する…社会の中で「命」を生み出し、育ててゆく意味を考える…
引用(抜粋) https://www.tbs.co.jp/kounodori/intro/
第5話「14歳の妊娠 少女が母になる時」あらすじ
ある日、中学2年生の吉沢玲奈(山口まゆ)が、母・昌美(中島ひろ子)に連れられてサクラの診察を受けにきた。
玲奈は妊娠8ヵ月。お腹の子の父親・元倉亮(望月歩)も同級生で、当事者2人がまだ中学生のため、赤ちゃんを誰が育てるのか決まらないままだった…。
出産を間近に控えた玲奈は、赤ちゃんを養子に出すことを決意。その後、陣痛を迎えた玲奈は助産師の小松留美子(吉田羊)らのサポートの元、出産に挑む。
初めての痛みに身をよじりながら苦悶の表情で叫び声をあげる玲奈。分娩室の隣の部屋では、赤ちゃんの養父母が待機している。
玲奈は、2900gの女の子を出産。産まれた赤ちゃんを慈しむような表情で抱く玲奈だったが、赤ちゃんを養父母へ会わせるために留美子が赤ちゃんを抱き上げようとすると、玲奈は何度も涙ながらにそれを拒否する。しかし諦めた玲奈は留美子に赤ちゃんを渡すと声をあげて号泣する。
引用 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200411-00075695-crankinn-ent
新しい命をつなぐための選択
この回は、いろいろな立場、視点から命や子を持つことと向き合わせてくれた。
玲奈が無事出産を終え、わが子と離れた後、病院に駆けつけていた赤ちゃんの父親の亮が赤ちゃんと対面する。亮が差し出した指を赤ちゃんがギュッと握ると、彼は静かに涙をこぼす。
このシーンに大人の男なら、涙し、女性に対して、母に対して、妻に対して、敬意を表するだろう。
この前段、サクラ先生が亮に向けて言った言葉を紹介する。
亮 :おれ、何もできないですね。
玲奈にも、生まれてくる子にも。
サクラ:そうだよ。
君には、彼女の痛みも苦しみも肩代わりすることはできないし、
まだ、子どもを育てる力もない。
だから、じっくり考えて行かなきゃね。
起きたことから目をそらさずに、
生まれてくる命をしっかり受け止められる大人になれるように。
厳しくも、温かい、未来に向け生きる、まだ少年パパに向けたメッセージは父になろうとする大人にも響く。
玲奈と赤ちゃんの別れのシーンは辛すぎる
何と言っても、多くの視聴者が涙腺を崩壊したシーンは、玲奈が自分が出産した赤ちゃんをベットで抱きしめ、少女から母になったにもかかわらず、この子と別れるシーンだろう。

ネットには、「切なすぎてこちらまで胸が張り裂けそう」「涙が止まらない…」といった反響がみられる。
未熟がゆえの無力さと大人の残酷さ。
本当にいろいろな見方、感じ方があるだろう。わたしは、中学生が妊娠したことは特別なことだけど、産む、産まないという話しではなく、生まれてくる新しい命、生まれてくる赤ちゃんのしあわせな未来をみんなが願い、考えることに深く心を掴まれた。
ドラマファンからすると、15年に中学2年生だった二人が、5年経ち、成人した今、どうなっているのか気になります。どんな人生を送っているのか。いずれにしても、命の尊さを誰よりも感じられる大人になっているだろうけど。
