前略 役員の目を真っ直ぐ見れない君
映画「スキャンダル」を観た。
男の目線で見る。
女性の立場で見る。
こんなにも印象と感想の広がりがある作品もないだろう。
正義と悪。
倫理と非道。
セクシャルとらしさ。
そして、そこにあるボスと部下という争うことが許されない関係性が、問題を起こさせてしまう。ただ、ここで起きたハラスメントは、一人の男が自分の欲求を満たすためだけに起こした救いようのない自己中心的な行為だ。
格好悪い。
こんな人間が、トップとして君臨できる放送局の未来ってなんだ?って考えてしまった。
映画「スキャンダル」あらすじ
2016年、アメリカニュース放送局で視聴率NO.1を誇る「FOXニュース」に激震が走った!
クビを言い渡されたベテランキャスターのグレッチェン・カールソンが、TV業界の帝王と崇められるCEOのロジャー・エイルズを告発したのだ。
騒然とする局内。看板番組を背負う売れっ子キャスターのメーガン・ケリーは、自身の成功までの過程を振り返り心中穏やかではなくなっていた。
一方、メインキャスターの座を狙う貪欲な若手のケイラは、ロジャーに直談判するための機会を得て――。
引用:https://gaga.ne.jp/scandal/
一人じゃない強さを知る
企業の中で起きる立場を悪用したセクハラを見逃すことに対して、怒りの一石を投じる映画だ。
セクハラを執拗に繰り返す加害者に、もはや弁解の余地はない。この作品は、その近くにいて見て見ぬふりをし、権力の中でヌクヌクと生きている、そう私たちの心に尖ったナイフを突き刺してくる。
一人、苦しみ続ける中、芽生えた正義感。
自分を動かすのは、自分だけじゃない、自分と同じように1人苦しんでいる人を救いたいという「誰かのため」という意思だ。
自分のために頑張り続けるのは、正直難しい。でも、「誰かのため」であれば、不思議と頑張り続けることはできたりする。
もしも、君が今、何かに怯えているなら、周りを見渡して仲間を探せば、きっと君のために頑張っている人がいるだろう。そして、君に必要なのは、その誰かの声を受け止め、声を上げることだったりする。
そこに女性も、男も、関係ない。
自分ができる方法で声を上げる。
苦しんでいる誰かのために。
そんなことを考えさせられる勇気が沸く映画だ。